麻布十番駅周辺のオフィス賃料相場|坪単価の目安とエリアの特徴を解説
麻布十番といえば、高級住宅地と洗練された商業エリアが融合した港区の中でも特別な存在感を持つ街です。六本木ヒルズや麻布台ヒルズに近く、外資系企業やクリエイティブ企業がオフィス拠点を構えるケースも年々増えています。私自身、20年以上の現場経験を通じて、このエリアの物件特性や市場の動きを肌感覚で把握してきました。
この記事では、麻布十番でのオフィス探しをご検討の総務・移転担当者の方に向けて、エリアの交通アクセスから賃料相場、物件選定のポイントまでを実務視点でわかりやすくまとめました。
ぜひ、移転・拡張計画の参考にしていただければ幸いです。
この記事でわかること
- 麻布十番駅の交通アクセスと主要エリアへの所要時間
- エリアの街の特徴・雰囲気と近年の再開発動向
- 神田・渋谷・日本橋などの比較エリアとの違い
- 入居企業の業種傾向と面積ニーズの実態
- 坪単価・賃料相場のレンジと注意点
- 空室率・フリーレント・条件交渉の実務ポイント
交通アクセスと立地特性
利用できる路線
| 路線名 | 主な行先 | 備考 |
|---|---|---|
| 東京メトロ南北線 | 溜池山王・後楽園・赤羽岩淵方面 | 霞が関・永田町へ直通 |
| 都営大江戸線 | 六本木・新宿・両国方面 | 六本木・新宿へ直通 |
主要エリアへの距離感(所要時間目安)
| 目的地 | 経路 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 東京駅 | 南北線→溜池山王→丸ノ内線 | 約20〜25分 |
| 新宿駅 | 都営大江戸線直通 | 約15〜20分 |
| 六本木 | 都営大江戸線1駅 | 約3〜5分 |
| 赤坂 | 南北線→溜池山王 | 約10分 |
| 品川駅 | 南北線→白金高輪→浅草線 | 約10分 |
ビジネス拠点としての利便性
2路線が交差することで、都心各エリアへの移動がスムーズです。特に南北線で永田町・霞が関方面へ直通でアクセスできるため、官公庁や大手企業との商談が多い業種に重宝されています。また、羽田空港へも都営浅草線との乗換で約40分と、インバウンド対応や海外取引が多い企業にとっても好立地です。
エリアの特徴とトレンド
高級住宅地と商業の融合エリアとしての背景
麻布十番は江戸時代から商業の中心地として栄え、古くから飲食店や商店が軒を連ねる庶民的な側面と、周辺の高級住宅地(元麻布・西麻布)が共存するユニークなエリアです。その地域性が、ハイエンドな企業イメージと生活利便性の両立を求める企業に支持される背景となっています。
近年の再開発による街のアップグレード
2023年に竣工した麻布台ヒルズの影響は絶大です。ハイクラスなオフィス・商業施設・レジデンスが一体化した複合開発により、エリア全体のブランドイメージが大幅に底上げされました。麻布十番駅周辺も、ヒルズ効果による人流増加・賃料上昇圧力が顕著で、築浅・リノベーション物件の問い合わせが増えています。
エリア独自の立地メリット
- 六本木ヒルズ・麻布台ヒルズへの近接でブランドイメージの訴求が可能
- 落ち着いた大人の街並みが、来客・採用のシーン演出に好適
- 飲食店やカフェが充実し、クライアントとの会食や社員の外食環境が豊富
- 大使館・外資系本社が集中する港区に立地し、グローバルビジネスの文脈に馴染む
比較エリアとの違い
| 比較項目 | 麻布十番 | 神田 | 渋谷 | 日本橋 | 品川 |
|---|---|---|---|---|---|
| 坪単価目安 | やや高め〜高水準 | 比較的抑えめ | 高水準 | 高水準 | 中〜やや高め |
| 代表業種 | 外資・クリエイティブ・コンサル | 中小製造・卸売・IT | IT・ベンチャー・広告 | 金融・法律・老舗企業 | IT・ゲーム・物流 |
| 街の雰囲気 | 高級・洗練・国際的 | 下町・実務的・コスト志向 | トレンド・若者・カジュアル | 老舗・信頼感・格調 | 機能的・大規模開発 |
| 物件規模 | 小〜中規模中心 | 小〜中規模 | 中〜大規模 | 中〜大規模 | 大規模中心 |
| 物件規模 | 麻布台ヒルズ効果で上昇中 | 神田駅周辺再整備中 | 渋谷大規模開発継続中 | COREDO系・再開発多数 | 品川・高輪再開発中 |
入居企業の傾向と業種別分析
業種別の選定理由と面積ニーズ
| 業種 | 麻布十番を選ぶ理由 | 典型的な面積 | 賃料感度 |
|---|---|---|---|
| 外資系企業 | 港区ブランド・英語対応環境 | 50〜200坪 | 低(予算余裕あり) |
| コンサルティング | 来客印象・立地プレステージ | 30〜100坪 | 中 |
| クリエイティブ・広告 | ブランドイメージ・採用力 | 20〜80坪 | 中〜高 |
| 医療・ウェルネス | 富裕層顧客へのアクセス | 20〜50坪 | 低〜中 |
| IT・スタートアップ | 採用ブランド・投資家アクセス | 20〜60坪 | 中 |
近年の入居トレンド
2020年代以降、特に目立つのは外資系ブティック型コンサルやプライベートエクイティファンドの進出です。麻布台ヒルズの開業を機に、既存の六本木・赤坂エリアからのオーバーフロー需要が麻布十番に流入しています。また、採用競争が激化する中、「働く場所のブランド」を重視するIT・DX関連企業の問い合わせも増加傾向にあります。
オフィス賃料相場
以下は2026年4月時点の市場感をもとにまとめた坪単価レンジです。実際の条件は物件によって大きく異なりますので、あくまでも参考値としてご活用ください。
| 面積帯 | 賃料下限(坪単価) | 賃料上限(坪単価) |
|---|---|---|
| 20〜50坪 | 約15,000円 | 約24,000円 |
| 50〜100坪 | 約16,000円 | 約26,000円 |
| 100〜200坪 | 約18,000円 | 約32,000円 |
| 200坪以上 | - | - |
※募集物件のデータが少ない場合は空欄としています。
※法人登記できる実際のオフィスのみを対象としており、バーチャルオフィスは含めていません。
※調査は当社が把握している物件情報を対象としておりますが、把握していない物件もあることから正確性を担保するものではありません。
※賃料はおおよその目安として掲載しております。賃料下限の物件は、築年数が古く設備も古いケースが多い傾向があります。
※飛びぬけて安い、あるいは飛びぬけて高いハイグレード物件の情報は省いています。
相場のリアル—空室率・フリーレント・移転事例
空室率について(ビル規模別の傾向)
麻布十番エリアでは、供給数自体が限られることもあり、条件の良い中小規模物件は比較的動きが早い傾向があります。ビル規模別では、100坪以下の中小規模ビルの空室消化が速く、200坪超のフロアは需要があっても供給自体が少ないため、条件交渉余地が限られる傾向にあります。特に新耐震・OAフロア対応物件は問い合わせから成約までのスパンが短く、タイムリーな意思決定が求められます。
フリーレントの実態
| 物件規模 | フリーレント期間の目安 | 交渉のしやすさ |
|---|---|---|
| 中規模(50〜100坪) | 1〜2カ月程度 | オーナー次第で柔軟対応あり |
| 大型(100坪超) | 2〜3カ月(大型改装時は4カ月も) | 改装工事期間に連動しやすい |
- フリーレントの有無や期間は、空室期間、内装工事の有無、契約期間などによって変わります。特に工事期間が必要な物件では、賃料発生日の調整や一定期間のフリーレントが相談できる場合があります。
最近の移転事例の傾向
- 六本木・赤坂からコスト調整目的で麻布十番へ移転するケース(坪単価を抑えつつ港区アドレスを維持)
- 渋谷・恵比寿からブランドアップを目的に移転するIT・コンサル企業の増加
- 麻布台ヒルズ入居を逃した企業が近隣の麻布十番物件を代替として選択するケース
- 在宅勤務定着後、本社縮小(フロア統合)のタイミングで麻布十番の50坪前後物件に移転するケース
【実務メモ:条件交渉で使えるポイント】
- フリーレントは「工事期間分」として交渉すると通りやすい、工事前提なら3〜4カ月の実績あり
- 長期契約(3年以上)を前提に交渉すると、坪単価の値引き余地が生まれる場合がある
- 空室期間が長い物件はオーナー側の交渉余地が大きい、竣工から6カ月超の物件は要チェック
- 管理費・共益費の内訳(電気代按分含むか否か)は入居前に必ず確認する
物件選定のポイントと実務的な注意点
「アドレス」の定義を確認する
「麻布十番」という住所表記を持つ物件は、港区麻布十番1〜4丁目が中心です。ただし、近隣の元麻布・南麻布・西麻布に所在しながら「麻布十番駅徒歩X分」と案内される物件も多く存在します。ブランドとして「麻布十番」を重視するのであれば、登記上の住所を必ず確認することが重要です。
再開発ビルと既存ビルで費用構造が異なる
麻布台ヒルズのような大規模再開発ビルは、賃料水準が高い分、設備・セキュリティ・共用部のクオリティが別格です。一方、既存の築古ビルは賃料を抑えられる反面、電気容量・空調の個別制御・バリアフリー対応などで制約が出る場合があります。初期工事費用(内装・空調追加)まで含めた「トータルコスト」で比較することを強くお勧めします。
広域交通拠点との距離感を活かす
羽田空港・品川駅へのアクセスを重視する場合は、都営浅草線への接続が取りやすい白金高輪経由のルートも確認しておきましょう。麻布十番は首都高速の出入口にも近く、車での移動や配送対応が多い企業にとって利便性の高いエリアです。
街並みと周辺環境
再開発ゾーン(麻布台ヒルズ周辺)
麻布台ヒルズ(港区虎ノ門・麻布台)の開業により、周辺は国際基準のハイクラスな商業・オフィス環境が整いつつあります。高層ビルが立ち並ぶグローバルな景観は、外資系企業や投資ファンドのオフィスとして絶好のロケーションです。ヒルズ内には高級スーパー・医療施設・フィットネス・カフェなども揃っており、社員の就労環境としても非常に充実しています。
既存ビルゾーン(麻布十番商店街周辺)
麻布十番商店街沿いには、個性的なカフェ・ブティック・飲食店が連なる従来型の商業エリアが広がっています。築10〜30年の中規模オフィスビルが点在しており、商店街の賑わいを活かしたショールーム型オフィスや、来客頻度が高い業種のテナントが多く見られます。
飲食・生活環境
- 有名シェフのレストランから気軽なランチスポットまで、多様な飲食店が徒歩圏内に集積
- ナショナルスーパーマーケット(麻布十番店)・紀ノ国屋など高品質スーパーが近隣に存在
- 美容院・エステ・フィットネスジムなど、社員のウェルビーイング支援施設が充実
- 近くにインターナショナルスクールや大使館が集まる外国人コミュニティとの親和性が高い
まとめ
麻布十番エリアに特に適している企業の特性
- 港区アドレスによるブランドイメージを採用・顧客獲得に活かしたい企業
- 外資系本社・大手コンサルティング会社など、来客の印象を重視する業態
- 六本木・赤坂周辺への移動が多く、利便性と格調を両立させたい企業
- クリエイティブ産業・IT系で「働く場所のブランド」を重視するスタートアップ・中堅企業
- 在宅勤務定着後のオフィス縮小・統合に際し、質の高いスモールオフィスを求める企業
- 富裕層・外国籍顧客を主要ターゲットとする医療・ウェルネス・金融系サービス企業
他エリアとの比較コメント
コストを最優先とするならば神田・秋葉原のように比較的賃料水準を抑えやすいエリアもエリアが有力候補です。IT・ベンチャー文化との親和性を求めるならば渋谷・恵比寿が適しています。一方、六本木・赤坂の賃料水準に対して「同じ港区ブランドをより合理的な賃料で」という観点からは、麻布十番は非常に競争力の高い選択肢です。麻布台ヒルズ効果による地価上昇はあるものの、既存ビルを上手く活用することで、コストと立地の両立が実現できます。
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執筆者紹介
株式会社スペースライブラリ
プロパティマネジメントチーム
藤岡 涼
入社以来20年以上にわたり、東京23区のオフィスビルを中心にプロパティマネジメント・リーシング・建物管理を担当。
年間多数の交渉やトラブル対応経験を活かし、現場目線に立った迅速かつ的確な提案を通じて、オーナー様とテナント様双方の満足度向上に努めています。
2026年4月24日執筆