皆さま、こんにちは。

株式会社スペースライブラリの羽部です。


今回は「ビル分譲ガイド 不動産投資商品の選び方」に引き続いてお送りします。

ビル分譲ガイド2 初心者のための投資チェックリスト完全解説」のタイトルで、2025年12月25日に執筆しています。


少しでも、皆さまのお役に立てる記事にできればと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

以下では、ビル分譲ガイド 不動産投資商品の選び方 第5章の不動産投資チェックリストで例示した各STEPについて、「不動産投資初心者がどのように理解・判断していけばいいのか」という視点から、専門用語の解説や具体的な判断基準、考え方の流れを詳細にまとめています。投資初心者の方が各項目をどのようにクリアしていくか、一つずつ押さえてみてください。

STEP1【投資目的の明確化】

1.1投資目的を設定

  • インカムゲイン狙い

・「インカムゲイン」とは定期収入であり、賃貸不動産であれば賃貸収入から賃貸管理原価等を控除した賃貸収益を意味する。

・「家賃収入」などの定期的な収入を得て、毎月のキャッシュフローを確保したい場合。

・毎月のキャッシュフローを積み立てて将来的な老後資金を作る、不動産投資を副業としてサラリーマン収入+副収入を得るなどの場合。

・次項のキャピタルゲインを得る場合でも一定のインカムゲインを得ることができる不動産があるため、主たる目的または得られる収益を鑑みて表現する。

・賃貸収入増加を目指し、適宜、必要な改修などの投資を行う場合がある。

・会計処理として賃貸事業用不動産とするのが通例。

  • キャピタルゲイン狙い

物件を購入→価格上昇後に売却→売却益を狙うスタンス。

・景気やエリアの需要によっては大きな利益を得る可能性もあるが、リスクも高い。

・前項のインカムゲインを得られる場合でも、賃貸条件として定期借家とするなどインカムゲイン狙いの物件とは運用方法が異なる場合がある。

・必要不可欠な部分以外は物件に投資しないで維持を抑える場合もあれば、逆に不動産評価を高めるために大規模な投資をして販売価格増加を目指す場合もある。

・会計処理として販売用不動産とするのが通例。

  • 節税・相続対策

・不動産所有に伴う減価償却などで所得税を抑える、相続時の評価減を狙う、など。

・減価償却は賃貸事業用不動産を対象とするため、インカムゲイン狙いと類似の運営となる。

・相続対策として相続税評価ルールを踏まえた不動産を選択する場合がある。


初心者が判断するコツ:

・「いつまでに、どのくらいの収入を得たいか?」を具体的な数値で考える(例:「5年後に月10万円の家賃収入が欲しい」など)。

・ネットや本で見かける「節税対策」だけに飛びつかず、本当に節税が必要な所得状況や相続規模かを税理士など専門家にも確認する。

・キャピタルゲイン狙いとする場合でも不動産市況によっては希望する時期に希望する価格での売却が困難となり、投資計画が達成できない場合もあり得るので、複数のシナリオを想定のうえ計画内容を検討する。

1.2投資期間の設定

  • 短期投資(1~3年)

・転売(キャピタルゲイン)目的が多い。初心者が短期で成功させるにはハードルが高め。

・不動産市場は金融市場に比較して価格変動に爬行性があるうえ、取引成立に時間がかかる点に留意が必要。

  • 中期投資(3~10年)

・比較的スタンダード。ある程度の賃料収入を得つつ、数年後に売却する。

・不動産売却時の保有期間は5年を境に短期譲渡と長期譲渡に区分されるので、中期投資計画であっても、税務的な差異があるかについての確認を行う。

  • 長期投資(10年以上)

・安定的なインカムゲインや相続対策がメイン。修繕費用など長期的な視点が必要。

・建物に対する知識も必要なので、投資期間を通じて投資家自らが知見を蓄積するなど積極的に不動産に関与することが成功につながる。


初心者が判断するコツ:

・まずは自己資金でどのような投資ができるかを検討する。もし、既にローンがある場合、ローン返済計画と合わせて検討する。

・投資金額に大きな幅がある投資商品であり、融資を活用すると投資対象の幅が拡がる。その場合、既存のローンを含む返済計画を検討する。

・転勤や子どもの進学、親の介護など、ライフイベントに合った投資期間を想定する。特に投資期間中で最もキャッシュフローが厳しいタイミングがいつで、どのような資金繰りとなるかを検討する。

・不動産は個々の物件による差異だけでなく、価格設定次第で流動性が異なる(売り易さが変わる)ため不動産市況が過熱傾向にあっても、過剰な期待は避ける。逆に不動産市況が厳しい状況にあった場合の価格見直しについても過剰なものとならないよう注意する。

・利益確定の売却を想定する場合、売却で得られた資金を運用する場合の利回りと保有を継続した場合の利回りを比較する。

1.3投資許容リスク(安定重視or高利回り重視)

  • 安定重視

・一等地オフィスビルなど。利回りは低め。オフィスビルは修繕費用がかかるが計画的に対応可能。不動産運営能力が求められるため、プロパティマネジメント会社などへの委託も検討の余地あり。賃料水準は相場に連動して上下する。

・大手管理会社のサブリース物件。利回りは低め。サブリース物件は賃料減額リスクに配慮する。売主がそのままサブリースする場合は高額売却を目指して相場以上のサブリース賃料で借り上げていないか注意が必要。

  • バランス重視

・賃貸住宅1棟。比較的稼働率が安定する都心ファミリー物件などは単身用1ルームマンションに比較して入退去が少ない。但し退去タイミングにより次の引っ越しシーズンまで空室が継続することもあるので注意が必要。賃料水準は長期的には逓減傾向となることが通例。

  • 高利回り狙い

・郊外・築古など、空室リスクが高い物件を安く買い、賃貸収益向上やリノベで価値UPを狙う。

・競売・公売物件等も対象とする。

・短期売却が成功すれば高利回りとなる。売却期間を短縮する方策として価格を下げる例が見られ、収益を確保できない可能性もある。短期売却を前提とした資金計画はリスクが高い。

初心者が判断するコツ:

・自分の家計(年収・貯蓄・ローン残高など)と相談して、空室が出ても耐えられるかを試算する。

・賃貸住宅では退去時の原状回復費用負担割合に注意が必要であり、すぐに次テナントが決まってもキャッシュフローが滞る場合がある。

・築古の建物は大規模な修繕工事が発生すると資金調達が困難となる可能性がある。

・まずは安定重視を選ぶ初心者が多い。不動産投資に関する情報も賃貸住宅を対象としたものが多く、競争相手も多くなる傾向がある。

1.4投資予算(自己資金・借入可能額)

  • 自己資金

・預貯金や金融資産のうち、どれくらいを投資に回せるか。緊急用の生活資金は残す。また修繕費や空室期間のキャッシュフローを維持するための予備費も検討する。

  • 借入可能額

・金融機関に事前相談し、自分の信用力(年収、勤務先、資産状況)でどの程度融資が受けられるかを把握。


初心者が判断するコツ:

・物件価格のフルローンはリスクが大きいので、頭金として1~2割は入れるのが一般的。市場性の高い不動産であればフルローンが提供される可能性もあるが、競争力のない不動産にフルローンが提供される場合、将来の破綻リスクが高まる。(例:かぼちゃの馬車)

・売却時に必要な経費についても想定する。

・銀行に打診したり、住宅ローンと比較検討したりして融資条件を確認する。

STEP2【物件種類・権利形態の選定】

2.1投資金額に適した物件種類を選定

  • 小口化商品(クラウドファンディング等)

・10万円~投資できる商品。初心者でも手軽に始められるが、運営会社の信頼性が大事。不動産投資というより投資対象資産が不動産の金融商品という側面がある。そのため実物不動産と比較すれば流動性は高い。

  • 区分所有マンション・区分オフィス

・500万円~数千万円程度の物件が多い。管理は管理組合が担い、比較的手間が少ない。管理費や修繕積立金などの増額など、管理組合の運営リスクが収益に影響する場合がある。区分オフィスは一般的でなく対象物件が少ないため運営会社の実績を確認する必要がある。

  • 一戸建て

・中古であれば数百万円からでも投資物件がある。入居者が決定すれば所有者の管理する手間は比較的少なく、修繕が必要な場合に対応することで足りることもある。空室状態では収入が一切なく、借入があると資金繰りが大幅に悪化するリスクがある。

  • 1棟アパート・ビル

・立地次第であるが、概ね1億円以上など大きな予算が必要。自主管理・委託管理の選択、修繕計画など検討項目も増え、投資家側での知見や業務も必要となる。


初心者が判断するコツ:

・自己資金やローン可能額をもとに、自分が持てる金額からアタリを付ける。

・物件により市場での売却の難易度が異なる。流動性の高い不動産とは売却に出せば購入希望者が多く存在して、金融機関の融資など受けやすいなどのメリットがある物件を指す。逆に流動性の低い場合は、購入希望者が少なく、長期間市場に出さないと売却が難しい物件を指す。これは価格面で規定される場合、すなわち同じ物件であっても市場水準より高い価格ではいつになっても売れないようなパターンと、物件そのものの問題で価格が0であっても(物件によっては購入すると条件次第では金銭がもらえる場合もある)えんえんと売れないパターンがある。市場環境が変わらなければ、購入時の状況が売却時にも現出する可能性があるので、自身が購入するときにはどの程度、売却活動されていたか、期間や価格の変動を把握しておくことは、売却時の参考にもなる。

・いきなり1棟ビルはハードルが高いので、まずは区分マンションなどから不動産投資に参入する投資家が多い。

・自身で判断をしたい場合、価格帯が低い土地建物所有の一戸建て住宅は取り組みやすい。但し、郊外や地方にある築年の経過した木造一戸建て住宅は資産価値が低く、ローンによる資金調達が困難となる場合もあり、自己資金での投資が主体となる。

2.2投資目的に合致する物件種別(居住用・商業用・事務所用など)

  • 居住用(マンション・アパート・戸建)

・空室リスクが低いが、利回りは中程度。但し、戸建住宅は入居期間が長期となる可能性があるが、退去後、次テナント成約まで時間がかかる場合がある。

  • オフィス・店舗

・景気動向によるリスクがある一方、賃料単価が高く利回り高め。


初心者が判断するコツ:

・賃貸需要が安定しているのは居住用(単身向けワンルームやファミリー向けマンションなど)。賃料水準は長期的に下がる傾向。

・商業用はテナントが見つからないと収益がゼロになるリスクがある。更にビルであれば入居者がいなくても管理コストは発生するため、収益はマイナスとなる。賃料水準は相場に応じて上下する傾向。

2.3権利形態(所有権・借地権・底地など)の確認

  • 所有権

・通常の不動産取得で、土地と建物を完全に自分のものにできる。

  • 借地権

・土地は地主、建物は投資家が所有。地主とのやりとりや建替え制限あり。

  • 底地

・土地を所有するが、上物は借地権者が利用。地代は低いが相続税評価は抑えられる。


初心者が判断するコツ:

・分かりやすいのは「所有権」。借地や底地は地主との交渉など専門的知識が必要。

・節税やリスク分散目的で借地・底地を選ぶなら、必ず専門家に相談する。

・不動産を購入する場合、検討時点の登記事項証明書に登記されている情報を必ず確認する必要がある。登記されている権利に応じ、通常と異なる権利が登記されている場合、その影響について正確に把握する必要がある。

STEP3【エリア・立地の選定】

3.1地域区分(都心・近郊・地方都市・郊外等)

・都心ほど物件価格が高く、利回りは低くなる傾向。

・地方都市や郊外は利回りが高いが、人口減少や空室リスクも大きい。

・不動産の流動性は地価水準に比例する。


初心者が判断するコツ:

・将来的に人口が減りにくい地域(政令指定都市、大学が多い街など)が安定しやすい。

・まずは身近な居住地や職場周辺で相場観をつかむのも良い。但し、認知の歪みで身近にある不動産を客観的に評価できない場合もあるので、第三者意見と比較して自身の判断の客観性を確認する必要がある。

3.2立地特性チェック

・交通利便性:駅からの徒歩分数・バス便の有無

・商圏人口:周辺の商業施設や大学、工場など

・行政施策:再開発予定や都市計画を確認


初心者が判断するコツ:

・「駅徒歩10分以内」の物件が人気で賃貸需要も高い。遠すぎると家賃を下げざるを得ない。

・市役所や自治体HPの「都市計画」や「人口ビジョン」を参考にする。

・ハザードマップで土地にかかわるリスクを把握する。

3.3周辺環境チェック(競合物件、将来の再開発等)

・競合物件:同エリア内に似た条件の物件が多いと家賃下落リスク。

・嫌悪施設:近隣に墓地、ごみ処理場、暴力団事務所、騒音施設などがあるか。

・再開発計画:大規模商業施設や新駅建設予定があると資産価値向上の可能性。


初心者が判断するコツ:

・Googleマップや現地視察で周囲を歩き回り、生活環境や治安を体感する。

・地元の不動産会社から再開発情報を聞き出すと良い。

・詳細は後述しますが、実際に自分自身で現地を下見することです。現地を見ないで不動産を購入するのは極めて危険です。初心者は絶対避けてください。また以前に行ったことがあるから大丈夫、というのも間違いのもとです。何らかの変化が生じて、それが原因で売却される状況になった可能性もあります。物件を紹介した不動産仲介会社に確認することは可能ですが、必ずしも正確な情報が得られるとは限らないことに留意してください

STEP4【物件現地調査・物理的確認】

4.1築年数・構造

・RC造(鉄筋コンクリート耐久性が高く、賃料が安定することが多い。築年数によっては大規模修繕必要。

・S造(鉄骨造):RCより軽く、建築費用も比較的安いが、耐久年数や耐火性能を要確認。

・木造:安価だが、耐久性や火災リスクに注意。


初心者が判断するコツ:

・ローン審査で「築年数制限」があり、築古だと融資期間が短くなる場合がある。

・「築25年以内」など一定の基準を自分の指針にすると判断しやすい。

・建物の構造で減価償却期間が異なります。減価償却期間は建物の経済耐用期間という側面もありますので、長期運営を計画する場合や銀行融資を受ける場合にも影響があるため、必ず確認してください

4.2建物の状態(劣化・修繕履歴)

・劣化の有無:外壁のひび割れ、屋上防水の劣化、配管のサビ、雨漏りなど。

・修繕履歴:いつ・どこを・いくらかけて修繕したかの記録。管理組合がしっかりしていれば履歴が保存されている。


初心者が判断するコツ:

・ホームインスペクション(建物診断)やエンジニアリングレポートなどを専門家に依頼して、素人には分からない欠陥をチェックしてもらう。

・ホームインスペクションを依頼する場合、住宅診断士など国家資格者でない人間の検査は割安かもしれないが、一級建築士などの国家資格者に依頼した方が間違いは少ない。対象不動産の価格帯に応じて適宜使い分けを検討しても良い。

・購入後に高額な修繕費がかかると利回りが大きく下がるため、事前に確認が必須。重要な事実を告知しない場合など、法律上のルールで対応できる場合もあるので売買契約書の内容は専門的な知識を有し、クライアントの利益を確保する仲介窓口を利用することが望ましい。契約書を弁護士にチェックしてもらう(リーガルチェック)場合もあるが、不動産取引実務に長けた弁護士でないと適切な対応は難しい。

4.3設備状況(水回り・空調・防犯・防災など)

・水回り:キッチン・浴室・トイレの老朽化状況、給排水管の劣化。配管は露出していないため目視調査では不具合の把握は困難な場合がある。

・空調・電気:エアコンの台数や老朽度、電気容量がテナントニーズを満たすか。

・防犯・防災:オートロックや防犯カメラ、防火設備(スプリンクラー等)の有無。


初心者が判断するコツ:

・入居者目線で「住みたくなるか・借りたくなるか」を想像し、最新設備かどうかをチェック。

・一定期間(できれば竣工からすべて)の修繕履歴を提出して頂き、対応内容を確認することで問題点を把握することができる。修繕履歴がない場合、しっかりとした検査が必要となる。

4.4建築基準法の観点からのチェック

  • 賃貸借用途

・現在の貸室用途と検査済証を取得した時点との比較を行う。用途が異なる場合、現時点の建築基準法に合致するか、途中で用途変更届をしているかなどを確認。

  • 管理報告書

・建築基準法に合致しない場合、管理報告書にその旨が記載されている場合がある。例えばエレベーター設備の既存不適格などは多く見られる。そのまま使用不可ではないが、既存適格とするための修繕費用は多大な出費となる場合もあるので注意が必要。


初心者が判断するコツ:

・信頼できる仲介会社の営業担当者に物件の調査を依頼する。宅地建物取引士の資格を有する担当者や長い経験を有する担当者であれば様々なリスクを把握しているので、建築基準法に合致しない場合でも投資対象としての妥当性についてある程度の意見を述べることはできる可能性があるので、その意見をもとに自身で調査する必要があります。

・専門家に調査を依頼して、建物が建築基準法に合致するかをチェックしてもらう。検査実務に精通した一級建築士の資格者が望ましい。

4.5耐震性のチェック(新耐震・旧耐震)

  • 新耐震基準(1981年(昭和56年)6月以降の確認申請物件)

・地震対策を強化した基準。金融機関融資も通りやすい。

  • 旧耐震基準

・耐震診断や補強工事の必要が出る場合がある。


初心者が判断するコツ:

・原則として新耐震基準物件が望ましい。旧耐震は安く買えるメリットとリスクを比較し、専門家に相談を。

・旧耐震建物は耐震改修することも技術的には可能であるが、既存賃借人がいる場合は工事が困難であるなど、既存貸室の使い勝手が悪くなるので改修が困難となる場合もあり注意が必要。

4.6アスベスト調査

・石綿障害予防規則で、改修・解体工事前にアスベスト含有の有無調査が必要。アスベスト調査には費用がかかる。

・築古のビルはアスベスト含有リスクがある。


初心者が判断するコツ:

・すぐに大規模工事の予定がない場合でも、将来的に撤去費用がかかる可能性がある点は認識しておく。

・解体を伴う改修工事を行う場合、アスベスト調査を行う義務が規定されており、アスベスト調査を実施した場合は調査結果を保管しておくことが望ましい。

STEP5【収益性分析】

5.1表面利回り

・計算式:年間家賃収入÷購入価格×100(%)

・あくまで物件比較時の目安であり、諸経費は含まれない。

5.2実質利回り

・計算式:(年間家賃収入-諸経費)÷(購入価格+購入時諸費用)×100(%)

・管理費、修繕積立金、固定資産税などを考慮した実質的な収益率。


初心者が判断するコツ:

・最初は「表面利回り」に惑わされがちだが、実質利回りを重視

・税金や管理費用を差し引いた手残りがどれくらいかを計算するのが大事。

5.3空室率・周辺の賃貸相場

・空室率:地域や物件管理の良否で大きく変わる。

・賃貸相場:同エリア・同築年・同設備の物件との比較が必須。


初心者が判断するコツ:

・不動産ポータルサイトや地元仲介業者から相場をリサーチし、想定家賃が適正かチェックする。

・保守的に「空室率10%~20%」を見込んでおくとリスクに備えやすい。

5.4収支シミュレーション

・キャッシュフロー計算:(家賃収入-ローン返済-諸経費)

・将来の修繕費設備交換費なども考慮。


初心者が判断するコツ:

・シミュレーションには「家賃下落」「金利上昇」のリスクも織り込む。

・不動産会社の作るシミュレーションは楽観的な数字になりやすいので、自分で厳しめに計算する。

STEP6【法務・権利関係の確認】

6.1登記事項証明書(登記簿謄本)の確認

・建物の表題部:売却対象と合致するか。床面積など数量を含め確認が必要。

・権利部(甲区)に記載されている事項(所有権に関する事項)にある権利者:売主が本当に所有者か。所有者でない場合、どのような立場であるか。

・権利部(乙区)に記載されている事項(所有権以外の権利に関する事項)にある抵当権など:既に担保に入っている場合、抹消手続きはどうなるか。


初心者が判断するコツ:

・司法書士や仲介会社が通常は調査するが、自分でも法務局で取り寄せ可能。

・気になる点は購入前に必ず質問し、あいまいにしない

6.2検査済証

・建物の建築確認、検査済証。


初心者が判断するコツ:

・初心者は検査済証のない物件は融資や売却時に手間がかかる場合があるので注意が必要。

6.3法令制限(用途地域・建ぺい率・容積率・高さ制限)

・用途地域:住居系、商業系、工業系で建築可能な用途が違う。

・建ぺい率・容積率:建物を増改築する際に制限がかかる。


初心者が判断するコツ:

・将来リノベや増築でバリューアップを狙うなら、容積率に余裕があるかをチェック。

・1棟ビルの場合、エンジニアリングレポートを取得し、網羅的な調査があれば参考になる。

6.4賃貸借契約書・管理委託契約書の内容

・既存テナントがいる場合:契約条件、賃料改定の可否、敷金の引き継ぎ方法など。

・管理委託契約:管理料率、解約時の条件。


初心者が判断するコツ:

・オーナーチェンジ物件の場合は、既存テナントとの契約内容に拘束される。

・弁護士や仲介業者に細かい条文を確認する。

6.5借地権・底地の場合の地主・借地人との関係

・借地契約の期限や更新料、地代の増減条件など。


初心者が判断するコツ:

・初心者にはハードルが高いため、可能であれば避けるか、専門家の意見を確認し、安全な取引となるようにする。

STEP7【資金調達・融資の検討】

7.1金融機関の融資評価額

・物件評価額vs購入価格。

・銀行によっては独自の評価方法があり、想定より融資額が下がることも。


初心者が判断するコツ:

・複数の銀行・金融機関に打診し、金利・融資期間・担保条件を比較する。

・金融機関は様々な種類があり、融資取扱い対象となる不動産はそれぞれ異なることがある。

・担保価値の高い物件は金利優遇などを受けられる可能性がある。

・与信が高い借主は金利優遇などを受けられる可能性がある。取引がない場合、自己資金の割合が高いことも信用につながる。

・不動産金融の世界では、金融環境・物件・借主与信など様々な要因によるがLTV(※)は70%以下を目安とし、30%以上を自己資金または出資金から賄うことが通例。初心者もあまり借入比率を追求するのでなく、妥当な水準で資金調達ができない場合は、何らかのリスクが生じた場合のキャッシュフローに懸念が生じるので、無理をしないほうが良い。

LTV:Loan To Value(不動産の評価額・取得価格に占める借入金の割合)

7.2自己資金と融資のバランス

・頭金が多いほど、毎月返済額を抑えられキャッシュフローが安定しやすい。

・フルローンは利益率を高める可能性もあるが、リスクが大きい。


初心者が判断するコツ:

・「万一家賃が半分になっても返済に困らないか?」をシミュレート。

・総資産の大半を投資に回すのではなく、緊急資金は必ず残す

7.3金利変動リスク・繰上げ返済条件

・変動金利だと金利上昇で返済額が増えるリスク。

・繰上げ返済に手数料がかかる場合もある。


初心者が判断するコツ:

・短期決戦で売却するなら変動金利もアリだが、長期保有なら固定金利を検討して安定を図る。

・売却時の収益計算には繰上げ返済時の手数料等を含めて計算する。

STEP8【管理運営体制の確認】

8.1管理メンテナンス会社の有無・業務委託料

・管理メンテナンス業務委託:清掃、設備管理、管理窓口を専門業者に任せるのか。

・委託料相場:物件の設備、用途により異なる。


初心者が判断するコツ:

・管理メンテナンスは業務委託必須。近隣在住でも初心者は対応できないことが多いので、自主管理を目指す場合でも、自身で対応できるようになるまでビルメンテナンス業務は管理メンテナンス会社に委託して自身の知識習得や対応体制構築に努める。

8.2運営管理会社の有無・手数料

・賃貸管理委託:賃貸管理(家賃回収、クレーム対応、退去時清算など)をプロに任せるのか。

・運営管理委託:プロパティマネジメント業務として、賃貸管理だけでなく、テナント募集から物件全般の運営管理まで不動産の運営すべてを専門会社に任せるのか。更にサブリース(一括借上げ)まで任せるのか。

・賃貸管理手数料相場:月の家賃収入の5%~10%程度が多い。

・運営管理手数料相場:月の家賃収入の5%~20%程度が多い。


初心者が判断するコツ:

・遠方物件は管理会社必須。近隣在住でも初心者は基本的に委託したほうが安心。

・管理会社は様々な特徴があり、得意分野も異なるうえ、営業エリアもあるのでしっかり選定することが望ましい。

8.3管理会社の実績・対応力

・実績:管理戸数、地元での評価など。

・対応力:入居者募集力、トラブル時の迅速対応が重要。


初心者が判断するコツ:

・地元密着の管理会社が空室対策や地域事情に詳しい。大手はブランド力や営業力が強い。

・組織体制がしっかりしている会社は管理業務の原価として人件費が大半なので、それに見合った形で手数料が高い。

・口コミや実際の管理物件の状態を見て判断すると良い。

・募集看板が多い業者が必ずしもテナントリーシング能力があるとは限らない。募集のやり方は条件の決め方を確認して、考え方に納得できる業者が望ましい。

・特定の物件のみの成約を目指す利益相反を指摘する解説があり、注意は必要であるが、入居者募集時に物件を紹介しているのか、報告書で確認すればそのような行為をする管理会社は一般的でないことは理解できると思われる。

8.4維持管理・修繕計画の体制

・日常管理体制:劣化が進んでから対応すると大幅なコストがかかるので、充実した日常管理で建物維持に努めることが、テナント満足度向上にもつながり良好な運営となる場合が多い。

・長期修繕計画:分譲マンションなら管理組合が計画しているかどうか。内容が合理的か。初心者であれば第三者意見も確認する。

・一棟物件:所有者自身で積立を行うか、管理会社と計画を立てるか。1棟利用テナントが入居した場合、管理をどちらが行うか。テナント自主管理は建物劣化が進む懸念があるので管理仕様を所有者が決めて、その通りの運用となっているかを常にチェックするか、所有者が行い、テナントから管理費・共益費を取得するかを検討する。


初心者が判断するコツ:

・将来の大規模修繕(外壁塗装・屋上防水など)に備えて毎月のキャッシュフローから積立する習慣を付ける。

・予防保全的な対応が合理的であるかを確認する。過剰な管理仕様は収益に悪影響となる。

STEP9【出口戦略(売却時)の確認】

9.1流動性の高さ

・都心物件や駅近は売却しやすく、価格も安定。

・郊外や地方は売りに出しても買い手がつかず、値下げが必要なケースがある。

・特殊な物件は立地が悪くなくても運営が難しい場合もあり、立地に合致した標準的用途(住居、オフィス、店舗など)の方が検討者は多い。

9.2過去売却事例の確認

・不動産ポータルサイト、REINS(不動産流通標準情報システム)や不動産会社の成約事例を参照する。

・不動産鑑定を利用する。

・いつ頃、どのくらいの募集期間で、いくらで売却に出し、実際にいくらで売れたかを確認。(すべての情報が確認できるとは限らない、むしろ、いつ頃、いくらで売却に出していて売れたようだ、という情報しか得られないことも多い)

・詳細の情報を知りたい場合、売買が行われてからしばらく経っていれば、建物の登記事項証明書を取得することで買主や融資有無など追加の情報が得られる場合がある。売買契約直後は登記完了していないため取得できないこともある。

9.3売却タイミングと投資期間

・マーケットが加熱している時期に売れば高く売れるが、タイミングは読みにくい。

・税制上、保有5年超で譲渡税率が下がる(長期譲渡)などの優遇がある。


初心者が判断するコツ:

・「投資開始時点で10年後に売却する」など方針を立てつつ、状況によって柔軟に変える

・不動産仲介会社や投資家向けのオンラインコミュニティで市況をリサーチ。

・トータルで収益を確保できている場合、収益を確定するという意味で売却を進めることも意味はある。但し、売却で得られた資金をどのように活用するか、市場が過熱気味で予想より高く売れた、ということは、自身が新たに購入しようとした場合も予想より高い物件しかないので、将来の値下がりリスクを負う懸念もある点に留意し、市場状況を確認したうえで判断する。但し、そのような状況になると客観的に市場を見ることができなくなる場合もあるので、それまでに信頼できるセカンドオピニオン依頼先を確保しておく。

STEP10【総合的な最終投資判断】

10.1投資目的に対する総合評価

・STEP1で立てた目標と、STEP2~9で集めた情報を突き合わせて、実現可能性を確認。

10.2リスクとリターンのバランス評価

・空室や修繕費といったリスクと、家賃収入や売却益を見込んだリターン。

・最悪の場合(地震、経済不況、金利上昇)にも備えられるか。

10.3専門家の意見を得る

・税理士:税金・相続対策。

・不動産鑑定士:物件の客観的評価。

・建築士・ホームインスペクター:建物の品質や耐震診断。


初心者が判断するコツ:

・不動産仲介会社の言うことを鵜呑みにせず、セカンドオピニオンを持つと安心。

・全項目をクリアした上で納得できるプランなら初めて買付を入れる。

まとめ(不動産投資初心者向けアクションステップ)

1.不動産用語の理解

・不動産投資の広告・資料に使われている用語など、基本ワードの意味を把握する。可能であれば具体的な相場観・水準などをおさえ、どうしてその水準なのかを理解する。いったんおさえた数値であっても、市況の変化に応じて変わるので、適宜、必要に応じて専門家へ確認する。

2.小さく始める

・いきなり大きな物件よりも、まずは少額投資や区分所有など手が届く範囲で実践すると学びやすい。物件の立地や種別として特殊なものより、身近なものから選択した方が身につきやすい。もしくは本稿の範囲外であるが、不動産会社への投資、という観点から自身が興味ある事業を行う上場不動産会社株式に投資することを通じて業務理解が進む可能性もある。

3.複数の専門家・銀行と連携

・不動産会社だけでなく、税理士、弁護士、金融機関、管理会社を複数あたって比較する。但し、不動産関連企業であれ、専門家であれ、それぞれ得意分野がある。その観点で各専門家の特徴を把握し、状況に応じた使い分けをする場合もある。

4.必ず現地視察

・ネット情報だけに頼らず、自分の目で周辺環境や建物状況を確認。また割安な物件と感じた場合、競合物件も実際に見ることで、割安な理由がどこにあるのか発見できないか、確認してみる。理由もなしに安い物件は存在しないという認識は常に忘れない。

5.保守的な収支シミュレーション

・空室リスクや修繕費、金利上昇など悲観的シナリオも想定して、キャッシュフローの破綻が生じないか、自身の予算をオーバーしないかをチェック。


こうしたステップを踏むことで、不動産投資初心者であっても専門的な切り口で確認事項を一つずつクリアしながら、納得度の高い投資判断を下せるはずです。焦らず、慎重かつ着実に情報収集と分析を行いましょう。

執筆者紹介
株式会社スペースライブラリ
代表取締役
羽部 浩志

1991年東京大学経済学部卒業 ビルディング不動産株式会社入社後、不動産仲介営業に携わる
1999年サブリース株式会社に転籍し、プロパティマネジメント業務に携わる
2022年サブリース株式会社代表取締役就任(現職) ライフワークはすぐれた空間作り

2025年12月25日執筆

羽部 浩志
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ビル分譲ガイド 不動産投資商品の選び方

皆さん、こんにちは。株式会社スペースライブラリの羽部です。この記事は「ビル分譲ガイド 不動産投資商品の選び方」のタイトルで、2025年12月8日に執筆しています。少しでも、皆様のお役に立てる記事にできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 目次第1章 不動産投資商品の名称と特徴第2章 投資金額別商品例と対象資産の特徴第3章 投資目的に応じた不動産投資商品例とその説明第4章 不動産投資商品の立地区分の例とその説明第5章 まとめ・不動産投資チェックリスト 第1章 不動産投資商品の名称と特徴 不動産投資の分野では、特にビル投資において多彩な表現が使われます。以下では、特に「ビル分譲」「ビル1棟売り」「投資用不動産」「売りビル」など、不動産投資広告でよく目にするキーワードについて、それぞれの意味・特徴を広告文例とともに分かりやすく整理します。「不動産投資に興味があるのでネットで調べてみようと思うけれど、どのように調べれば良いのかわからない」と感じている方が具体的な物件の情報を調べるうえで必要な基本的な知識としてご覧下さい。 1.ビル分譲(区分所有・1棟全体) 【意味】・「分譲住宅」が良く使われるため、これに準えた「分譲ビル」という表現でビルの「区分所有権」販売を示す。・1棟ビルを「フロア単位」または「区画単位」に細かく分割し、個別に販売する方法。購入者は区分所有権を取得する。・1棟ビル全体を販売する方法。分譲対象がビルという部分に焦点をあてた表現。・建物の分類はビルとなる不動産について、「区分所有権」を含む「所有権」販売全般を意味する。【表現例】・「都心オフィスビルの1区画を区分所有で手軽に購入」・「フロア単位で所有可能な区分オフィス投資」・「少額からのオフィス投資。相続・節税対策にも最適」・「予算に応じた安定資産のビル投資。インフレ対策に最適。」【対象・特徴】・一般投資家向けに投資金額が数千万円~数億円程度から参入可能。・節税対策、相続税対策、資産形成のニーズに対応。・区分所有建物の場合、他オーナーとの共同管理が必要。・分譲不動産は所有形態によらず自己使用または賃貸収益を目的とする。 2.ビル1棟売り(1棟収益ビル・1棟オフィス) ・ビル全体(建物1棟丸ごと)を販売する方法。・ビル分譲が様々な規模の不動産を対象としていることと比較し、1棟は区分所有を除外し、相対的に資産規模が大きい不動産の販売方法。表現例・「駅前好立地、1棟収益ビル」・「人気エリアの1棟オフィスビル。満室稼働中」・「1棟ビル投資で高収益・高利回りを実現」特徴・投資規模が大きく(数億円~数十億円)、比較的富裕層や法人投資家が主対象。・オーナーが単独所有のため、運営方針を自由に決定できる。・キャッシュフローと資産規模拡大に向くが、資金力・リスク許容度が求められる。・収益ビルと表現した場合は賃貸収益を目的とする。1棟オフィスは自己使用が可能な物件も含まれ、自己使用と賃貸収益双方を目的とする場合も含まれる。 3.投資用不動産(収益不動産・オーナーチェンジ物件) ・賃貸収入(インカムゲイン)や売却益(キャピタルゲイン)を目的に取得する不動産の総称。・賃貸不動産を対象とし、区分所有も1棟全体も対象表現例・「投資用区分オフィス、即収益物件」・「利回り〇%のオーナーチェンジ物件」・「賃貸稼働中の収益ビル、安定収入物件」特徴・購入時点でテナント(借主)が既に入居中の場合は、「オーナーチェンジ物件」と呼ばれる。・価格に対して年間賃料収入を示した「利回り」を強調する表現が多い。この利回りはあくまで物件比較のための目安であり、投資家が実際に得られる収益は異なる場合がある。・物件の種類は多様(ビル、マンション、店舗、倉庫など)である。 4.売りビル(販売ビル・売ビル) ・販売目的で市場に出ているビル物件。区分所有ではなく原則として1棟売却を指すことが多い。表現例・「売りビル情報多数あり。未公開物件も」・「都心の売りビル、レア物件につきお早めに」・「1棟ビル売却案件・非公開案件をご紹介します」特徴・区分販売ではなく、1棟まるごとの売却をイメージさせる用語としてよく使われる。・建物の状態・収益状況・立地によって価格や利回りが変動し、資産価値や出口戦略がポイントになる。・分譲不動産は所有形態によらず自己使用または賃貸収益を目的とする。主なターゲットは法人や富裕層の投資家。 5.その他よく使われる不動産投資商品名称 (1)レジデンス・レジ物件居住用マンション・住宅を指し、マンションの賃貸収益を狙った投資。(2)バリューアップ物件リノベーションやリーシング改善により付加価値向上を狙う物件。中古物件を安く買い、改修後に収益性を高める。(3)底地・借地権付き物件土地所有者と建物所有者が別々の物件。権利調整が複雑だが、安価で高利回りを狙える。(4)開発素地物件既存建物と土地が対象の不動産のなかで、建物の築年が経過して経済価値が低くなっている場合や既存不適格などの瑕疵がある場合などですべての賃借人退去後に建物解体のうえ新築建物の建築計画を予定する物件。必ずしも建物解体が必要ではなく、建物リニューアルを行う場合もある。 6.各表現の比較・整理 表現対象不動産投資規模主な投資家収益性投資難易度ビル分譲(区分)オフィス1フロア・店舗1区画中小規模(数千万~数億円)個人・中小法人中程度~高め(立地次第)易しい(管理も外注可)ビル1棟売りオフィス・商業ビル1棟大規模(数億~数十億円)富裕層・法人中程度~高(リスク・規模大)-投資用不動産マンション・オフィス・店舗など全般幅広く小規模~大規模まで個人~法人まで幅広い中程度~高め-売りビル(1棟)主に1棟のオフィス・商業ビル大規模(数億円以上が一般的)法人・富裕層中心- 7.不動産投資商品名称のまとめ(ポイント) ・「ビル分譲(区分所有)」はフロアや区画単位で所有可能で、比較的少額投資。・「ビル1棟売り」「売りビル」は、1棟単位で売却され、法人や富裕層向けの高額投資案件。・「投資用不動産」は収益性を前提とした全般的な不動産を指し、入居中物件(オーナーチェンジ物件)も含まれる。こうした用語を理解しつつ、それぞれの投資目的や規模、資産運用戦略に応じて物件選びを行うことが重要です。 第2章 投資金額別商品例と対象資産の特徴 前章で不動産投資商品の広告等で使われる用語の具体例を説明しました。より具体的な不動産投資商品のイメージを持って頂くため、不動産投資商品・対象資産を投資金額帯ごとに具体的に整理し、代表的な投資例・特徴をまとめます。誰にとっても良い投資商品というものは存在しません。下記の整理を参考に、自身の資産規模や目的に合わせて最適な不動産投資商品を選ぶことが重要です。 1.【数十万円~数百万円】不動産小口化商品(不動産クラウドファンディングなど) ・一口10万円~数百万円程度の少額で都心の商業ビルやマンション等に投資可能。・クラウドファンディング会社が不動産を取得・管理し、出資者は出資金に応じて配当を得る。・物件管理やテナント対応などは業者任せ。投資初心者向き。(具体例)・OwnersBook(ロードスターキャピタル)・CREAL(クリアル)・Rimple(プロパティエージェント) 2.【数百万円~数千万円】区分所有マンション(ワンルームマンション投資) ・分譲マンションの1戸(区分)を購入し、賃貸収入を得る。・都市部で駅近の好立地マンションを中心に需要がある。・個人投資家が比較的少額で参入しやすく、管理が容易。(具体例)・プロパティエージェント・日本財託・FJネクストホールディングス(ガーラマンション) 3.【数百万円~数千万円】区分所有オフィス・店舗 ・ビルの1フロアまたは区画を区分所有権で購入。・オフィスビルや商業施設の1フロア単位で、安定的なテナントが入居する立地の良い物件が多い。・節税・相続対策としても利用される。(具体例)・ボルテックス(区分所有オフィス)・サンフロンティア不動産(バリューアップ物件)・インテリックス(中古区分商業ビル) 4.【数百万円~数千万円】底地投資(借地権が付いた土地の所有権) ・借地権者が建物を所有し、土地の所有権だけを持つ状態。・毎月の地代収入は得られるが、土地利用が制限される。・収益性は低めだが相続税評価減・節税目的で投資される。(具体例)・都市部の底地専門業者(トーセイ、日本土地建物、日本商業開発など) 5.【数百万円~数千万円】借地権付建物(一戸建て住宅や小規模建物) ・土地は他人(地主)が所有し、建物のみ所有権を持つ。・投資額が抑えられる反面、地主との関係性が重要で、土地の利用や建替えに制限あり。・都心の住宅地や商業エリアで多く存在。投資利回りは高めだが流動性がやや低い。(具体例)・都内23区などの借地権付戸建住宅・店舗付き住宅など・下町エリアでの老朽住宅をリフォームして賃貸運用するケースも多い。 6.【数千万円~1億円未満】ロードサイド店舗(所有権土地建物一括) ・土地・建物の完全所有権で、ロードサイド店舗(コンビニ・飲食店・ドラッグストアなど)を所有。・投資額が比較的高いが、安定した賃料収入が見込め、管理負担が少ない。・土地の価値が安定しやすく、中長期的に収益性が高い。(具体例)・コンビニ、ドラッグストア、飲食チェーン店(回転寿司、ファストフード)などの単独店舗物件。・大東建託などが一括借上げ(サブリース)で提供するケースもあり。 7.【数億円以上】オフィスビル1棟・商業ビル1棟 ・1棟丸ごと所有するため投資規模が大きく、法人や富裕層向け。・収益力(利回り)と出口(売却・転売)戦略が重要になる。・管理は管理会社に委託することが一般的。(具体例)・都心の中規模オフィスビル(5億円~10億円)・商業地(駅前・繁華街)の1棟店舗ビル 8.【数十億円~】大型オフィスビル・商業施設(1棟所有権) ・資金規模が大きく、機関投資家やファンド、REITなどが購入主体となるケースが多い。・賃料収入だけでなく、価格上昇(キャピタルゲイン)を狙う投資もある。・一般個人投資家にはハードルが高い。(具体例)・J-REITが取得するような丸の内エリア、虎ノ門エリアのオフィスビル(数十億円以上)・外資系ファンド(ブラックストーン、ケネディクス)等の投資対象 9.投資金額帯別不動産投資商品のまとめ 金額帯投資対象(例)特徴権利形態対象投資家数十~数百万円不動産クラウドファンディング(証券化商品)手軽な金額でリスク分散型投資を実現小口化持分・匿名組合出資初心者個人百万円~数千万円区分所有マンション・区分所有オフィス区分所有マンション・区分所有オフィス比較的低予算で所有しやすく、節税や資産形成が目的区分所有権個人・小規模投資家数百万~数千万円底地・借地権付き家屋制約付きながらも、都心立地を低予算で保有できる底地権・借地権付き建物所有権個人・小規模投資家数千万円~1億円未満ロードサイド店舗(土地建物)など安定的で利回りが良く、土地・建物がセットの完全所有完全所有権(土地・建物)富裕層・中小法人数億円以上ビル1棟・大型オフィス・商業ビルビル1棟・大型オフィス・商業ビルまとまった資金が必要だが、安定的かつ規模の大きな収益を狙える完全所有権(土地・建物)富裕層・法人投資家 10.投資目的に応じた商品例 ●少額からスタートしたい初心者不動産クラウドファンディング・区分所有ワンルームマンション●節税・相続税対策の投資家戸建住宅・区分所有マンション・区分オフィスなど●安定収益重視の投資家ロードサイド店舗・賃貸アパートなど●資金力があり収益性・売却益重視の投資家都心1棟ビルなど完全所有権型 第3章 投資目的に応じた不動産投資商品例とその説明 投資対象となる不動産について、比較的商品の選択肢が多くあるものについて例を挙げ、「投資対象としての特徴」や「投資のポイント」を簡潔かつ整理して解説します。 1.戸建て住宅(賃貸用) 投資特徴:個人の居住需要に対応した賃貸住宅。単身世帯~ファミリー世帯まで幅広いニーズに対応可能。比較的初期投資額が低め(数百万円~数千万円)。利回りは高めだが、入居者退去時の空室リスクがある。メリット・デメリット:【メリット】売却しやすい・自己利用に転用可能。【デメリット】1戸空室で収入がゼロになるリスク。 2.アパート・マンション等の共同賃貸住宅(1棟投資) 投資特徴:複数の住戸をまとめて運営するため、空室リスク分散が可能。安定的な家賃収入を期待でき、初心者~プロ投資家まで広く人気。築浅物件は利回り低め(3~5%)、築古物件は高利回り(7~10%以上)も。メリット・デメリット:【メリット】安定収益・空室リスク分散。【デメリット】修繕コストが大きくなる・管理コスト発生。 3.オフィスビル(1棟・区分所有) 投資特徴:法人がテナントとなるため家賃が高く、安定した収益を見込める。都市部の好立地ほど賃料・稼働率が安定。賃貸契約期間が比較的長い(3~10年)ケースが多い。メリット・デメリット:【メリット】法人テナントによる長期安定収益。【デメリット】景気影響を受けやすく、空室時の収益低下リスク。 4.テナント商業ビル(店舗・商業施設) 投資特徴:商業店舗、飲食店、クリニック、美容室など、多様な業種が入居。ロードサイド店舗は利回り5~8%前後で比較的高収益。立地が極めて重要で、駅前・幹線道路沿いが有利。メリット・デメリット:【メリット】立地次第で収益性が高い。【デメリット】景気変動の影響を受けやすく、テナント入替時の空室リスクがある。 5.オフィスビル(事務所用途) 投資特徴:法人テナント対象で、賃料が安定しやすい。都市中心部でのニーズが高く、区分所有で小口投資も可能。バリューアップ(リノベーション)で資産価値を向上可能。メリット・デメリット:【メリット】長期契約で安定収益が狙える。【デメリット】景気変動による賃料低下・空室リスク、管理費や修繕コストが高い。 6.テナント商業施設(ショッピングモール・複合商業施設) 投資特徴:大規模施設はREITや法人投資家向き。安定テナントを誘致できれば賃料収益は安定するが、規模が大きく投資額も高額。郊外型大型商業施設は集客次第で収益が変動する。メリット・デメリット:【メリット】収益の安定性・知名度向上による資産価値維持。【デメリット】空室発生時の影響大。初期投資が高額。 7.底地(土地のみ所有、借地権建物あり) 投資特徴:地代収入を得る目的で投資。自己利用・建築自由度が低い。相続評価額が低く節税に効果的。メリット・デメリット:【メリット】節税効果・安定収入。【デメリット】土地利用や売却が困難。収益性低め。 8.借地権付き建物(建物のみ所有、土地は借地) 投資特徴:土地は借地のため安く、少額で賃貸用建物を所有可能。比較的利回りが高いが地主との関係性が重要。メリット・デメリット:【メリット】投資額抑制。利回りは高め。【デメリット】土地利用の制限。地主との交渉が必要。 9.土地・建物の完全所有権(ロードサイド店舗・事業用地) 投資特徴:コンビニやファミレス、ドラッグストア等のロードサイド店舗。完全所有のため土地・建物の自由利用や売却が可能。メリット・デメリット:【メリット】所有権自由度高・安定的収益・売却しやすい。【デメリット】初期投資額が大きめ。 10.ホテル 投資特徴:観光需要に応じた宿泊施設への投資。稼働率や景気に左右されやすく収益性変動あり。都市部ホテル、リゾートホテルなど種類は多様。メリット・デメリット:【メリット】観光地立地では高収益可能。【デメリット】運営リスク(稼働率変動)が大きい。 11.倉庫・物流施設 投資特徴:EC需要増加に伴い、物流拠点ニーズが上昇。賃貸期間が長期(5~10年)で安定収益が見込める。メリット・デメリット:【メリット】賃料収益安定性高・管理負担低め。【デメリット】立地の選定次第で稼働率・売却難易度が左右。 12.その他の一般的な投資対象例 ●コインパーキング・月極駐車場初期費用が比較的安価。土地活用での暫定措置としても一般的。都市部で稼働率が高いが、固定資産税対策としての一時利用。●トランクルーム・レンタル倉庫初期投資低め・安定したニーズ。利回り高め(8~12%前後)。個人・小口投資家向けの運営会社による投資商品もある。 13.まとめ(不動産投資対象別の特徴比較) 種類安定性利回り目安流動性投資難易度戸建て住宅△中~高め高易アパート・マンション〇(安定)中~高め中程度-オフィスビル〇(景気敏感)中~高め中~難-商業施設〇(立地次第)中~高め中~難-底地◎(低収益)低め難しい-借地権付建物〇(制約あり)中~高め難-ホテル△(不安定)高め難-物流施設◎(安定)中中程度- 投資対象ごとに特徴やリスクが異なるため、それぞれの目的・資金力・リスク許容度に応じて選択することが大切です。 第4章 不動産投資商品の立地区分の例とその説明 本章では、代表的な立地分類(都心の商業地、オフィス街、近郊住宅地、地方都市、地方山村)を用いて、不動産投資対象としての特徴を整理します。また、代表的分類に一般的な区分を追加・整理し、それぞれの投資上の留意点もあわせて解説します。必ずしも1つだけに分類されるとは限らない場所もありますが、これらの分類を参考に、自分の投資目的や資金規模、リスク許容度、運営手間に応じて、投資対象の立地を選定するとよいでしょう。 1.立地別の不動産投資特性一覧表 立地区分主な投資対象特徴(メリット)注意点(デメリット)都心商業地商業ビル・店舗・オフィス人口・商業集積が高く、需要が安定的。資産価値が高く流動性も高い。土地価格上昇によるキャピタルゲインも期待可。価格が高額で利回りは低め。景気・市場変動の影響を受けやすい。オフィス街オフィスビル・テナントビル安定した法人需要。長期賃貸契約で安定収益。区分所有も可能。企業移転など景気変動に伴う空室リスク。築古物件は維持管理コスト高め。近郊住宅地マンション・アパート・戸建住宅ファミリー層中心の安定的な居住ニーズがあり、空室率低め。購入価格も比較的手頃。競争物件が多く家賃競争が激しい。人口減少エリアでは空室リスク増加。地方都市(中核都市・地方県庁所在地)賃貸住宅・ロードサイド店舗・ビジネスホテル購入価格安価。一定の都市需要が存在し、利回りが高め(6~10%)。人口減少・賃料下落・テナント撤退時の空室リスクが大きい。地方山村(過疎地)別荘・民泊施設・太陽光発電用地土地価格が安く、利回り(表面利回り)が高い。自然資源活用型投資(太陽光・林業など)可能。流動性が低く換金困難。賃貸需要は極めて低い。 2.各エリアの詳細な特徴解説 ① 都心商業地(銀座、新宿、梅田など)人口集中度・消費ニーズが高く、店舗ビルやテナント向け商業ビルとして魅力的。投資対象は高額で利回りは低い(2~4%台)が、キャピタルゲイン(売却益)を狙える可能性もある。地価が安定して高く、流動性も高い(換金性が良い)。【広告表現例】「希少立地!駅徒歩1分の好立地収益ビル」 ② オフィス街(東京の丸の内・大手町、大阪の梅田・淀屋橋)法人がメインターゲットで、安定したテナント需要。区分所有オフィス投資が一般的で、節税・相続対策としても人気がある。景気後退や企業移転で一時的な空室が生じやすい。景気敏感型の資産。利回りは4~6%程度が一般的。【広告表現例】「東京主要オフィス街の区分所有ビル、安定稼働中」「1棟オフィスビル投資、法人テナント契約済み」 ③ 近郊住宅地(東京近郊:三鷹・川崎・横浜・千葉・埼玉のベッドタウン)居住需要が安定し、賃貸住宅・一戸建住宅(賃貸)が人気。投資物件としては賃貸マンション・アパート中心で、中古戸建を賃貸転用も多い。ファミリー向け・単身者向けと多様な物件があり、賃貸ニーズは比較的安定。投資利回りは5~7%程度が一般的で、競争激化のため家賃の維持が難しい地域も多い。【広告表現例】「都心通勤圏、満室稼働中の1棟アパート投資」「利便性良好の中古戸建住宅、リフォーム後即収益可」 ④ 地方都市(地方県庁所在地・中核都市、例:仙台、広島、熊本など)地方都市中心部は人口が安定しているが、周辺エリアは人口減少傾向。投資物件はマンション、商業店舗、ビジネスホテルが主流。購入価格が比較的低いため高い利回り(8~10%以上)を狙えるが、将来の空室リスクがある。【広告表現例】「地方都市中心街で利回り10%以上の収益アパート」「地方都市の駅前テナントビル、満室稼働中」 ⑤ 地方山村(農村・過疎エリア)自然豊かな環境を生かした投資が主流(太陽光発電、別荘、民泊施設など)。投資額は安いが、管理や稼働率に課題が多い。投資としては玄人向き。流動性が低く売却時に苦労することがある。【広告表現例】「地方の別荘地で民泊投資、利回り15%超も可能」「地方山林を活用した太陽光発電投資、安定的な売電収入」 3.その他、投資対象として一般的なエリア分類(補足) 駅前繁華街(地方都市含む)商業テナント需要が高く、空室リスクが低い。1棟ビル投資、店舗区分投資として有効。ロードサイド店舗(郊外エリア)コンビニ・飲食店・ドラッグストアなど、郊外でも安定収入が可能。賃料が安定しやすい長期契約が多い。観光地(リゾートエリア)民泊・ホテル・別荘型施設への投資が有効。観光需要に左右されるため、収益性は変動しやすい。土地・駐車場(都市・郊外問わず)賃貸運営コストが低く、節税にも有効だが、収益性はやや低い。将来の開発を見込んで購入するケースが多い。 4.投資対象としてのポイント整理 ・都市の中心地ほど価格が高く収益率が低め、地方ほど価格が安く利回りは高い傾向。・人口動態、立地特性、テナント・居住ニーズなどを考慮し、資産価値の安定性と流動性をバランスよく考えることが重要。・初心者向き:近郊住宅地(マンション・戸建て)や都心区分所有(マンション)。・経験者・法人向き:オフィスビル・商業ビル・物流施設。・ハイリスク・ハイリターン型:地方山村エリアの民泊・太陽光施設。 第5章 まとめ・不動産投資チェックリスト 以下に、「不動産投資を行う際のチェックリスト」を体系的に構成します。これまでの章でどのような商品があるか、その特徴を述べて参りましたが、具体的な商品を見ることが不動産投資の第一歩です。自分にあった商品を探すために、まずはチェックリストをもとに自分の希望を整理したうえで、具体的な物件を調べてみて下さい。不動産投資について調査を重ねるなかでより具体的な希望条件が明確になれば、実際の物件がその希望条件にどの程度合致するかを判断することができます。そのような手順を進めるうえで、具体的なかつ実用的なチェック項目をまとめました。不動産は同じ物件は2つとないため、個々のチェックリストが全体的に関連し、最終的な価格や収益に影響してきます。網羅的な項目を挙げていますので、初心者には不明な項目があるかもしれませんので、それらはブランクでも大丈夫です。ご自身の希望条件に合致した投資物件をいくつか見つけることができれば、一定の相場観のようなものを掴むことができます。これはこういう部分があるから安いのか、あれはああいう部分が魅力的なので高めなのか、などのご自身なりの判断ができるようなればもう不動産投資家です。 1.不動産投資チェックリスト・フローチャート 以下の順序でチェックを進めていきましょう。✅ STEP1【投資目的の明確化】投資目的を設定(インカムゲイン、キャピタルゲイン、節税・相続対策など)投資期間の設定(短期・中期・長期)投資許容リスク(安定重視 or 高利回り重視)投資予算(自己資金・借入可能額)✅ STEP2【物件種類・権利形態の選定】投資金額に適した物件種類を選定(小口化商品・区分所有・1棟所有・底地等)投資目的に適合する物件種別(居住用・商業用・事務所用・ホテル・物流施設等)権利形態(所有権・借地権・底地・区分所有)を明確化✅ STEP3【エリア・立地の選定】地域区分を明確化(都心・近郊・地方都市・郊外等)立地特性チェック(交通利便性・人口動態・商圏人口・行政施策)周辺環境チェック(競合物件・嫌悪施設・将来の再開発計画の有無など)✅ STEP4【物件現地調査・物理的確認】築年数・構造(RC・鉄骨・木造など)建物の状態(劣化・修繕履歴・リノベーション有無)設備状況(水回り・空調・エレベーター・防犯・防災設備など)耐震性のチェック(新耐震・旧耐震、耐震診断・補強有無)アスベスト(石綿)調査済みの有無(石綿障害予防規則対応状況)✅ STEP5【収益性分析】表面利回り(年間賃料 ÷ 購入価格)実質利回り(実際の諸経費を差し引いた実質収入ベースで計算)周辺の賃貸相場との比較(割高・割安を把握)空室率のチェック(現状および周辺の稼働率)収支シミュレーション(キャッシュフローの安定性を精査)将来の家賃下落・経年劣化・修繕費用上昇リスクの検討✅ STEP6【法務・権利関係の確認】登記簿謄本確認(所有者・抵当権・借地権の権利関係)法令制限チェック(用途地域・建ぺい率・容積率・高さ制限)契約関係書類(賃貸借契約書・管理委託契約書)の内容確認借地権物件・底地の場合の地主・借地人との関係性確認✅ STEP7【資金調達・融資の検討】金融機関の融資評価額(融資可能額・金利・融資期間・担保条件)自己資金と融資のバランス(無理のない返済計画かどうか)借入に伴うリスク(返済計画、金利変動リスク、繰上げ返済条件)✅ STEP8【管理運営体制の確認】管理会社の有無・管理手数料管理会社の実績・信用・対応力テナント対応(募集・クレーム対応)の仕組み確認維持管理・修繕計画の体制(長期修繕計画有無)✅ STEP9【出口戦略(売却時)の確認】売却可能性・流動性の高さの確認(将来的な換金性)近隣エリアの過去売却事例確認(価格推移)売却タイミングの想定・投資期間の再確認✅ STEP10【総合的な最終投資判断】投資目的に対する物件の総合評価投資リスクとリターンのバランス評価投資判断に関する第三者専門家(税理士・不動産鑑定士・建築士)の意見・助言を得る 2.フローチャートで整理する不動産投資プロセス 投資目的・予算設定  ⬇️物件種類・権利選定  ⬇️エリア・立地選定  ⬇️市場調査・物件情報確認  ⬇️現地調査・物件状況確認  ⬇️収益性分析  ⬇️法務・権利関係確認  ⬇️資金調達・融資検討  ⬇️管理運営体制確認  ⬇️出口戦略検討  ⬇️総合的な最終投資判断 3.このチェックリストの活用方法 ・各項目を順番に確認することで、体系的で網羅的な投資判断を行えます。・判断に迷った場合、各項目のチェックを再度振り返り、専門家への相談を挟むことも有効です。・実際の投資判断の際に、チェック項目を印刷・整理して、物件ごとに客観的評価を行いましょう。 4.補足:不動産投資で忘れがちな注意事項 ・景気変動や市場動向を考慮した保守的な収支予測を立てること。・税務・法務・建築の専門家との連携によって投資リスクを低減すること。・不動産市場や関連法令・税制改正の最新情報を定期的に確認し、常に情報アップデートを怠らないこと。以上のチェックリストを活用し、体系的で精度の高い不動産投資判断を行うことができます。 執筆者紹介 株式会社スペースライブラリ代表取締役 羽部 浩志 1991年東京大学経済学部卒業 ビルディング不動産株式会社入社後、不動産仲介営業に携わる 1999年サブリース株式会社に転籍し、プロパティマネジメント業務に携わる 2022年サブリース株式会社代表取締役就任(現職) ライフワークはすぐれた空間作り 2025年12月8日執筆
 
 
 
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