築古オフィスビルの清掃が空室対策につながる理由|見直したい場所と清掃方法
築古オフィスビルでは、空室対策として設備更新やリニューアルを検討することがありますが、その前に確認したいのが建物の清掃状態です。エントランスや共用廊下、トイレなどは内見時にも目に入りやすく、汚れが目立つと建物全体が古く見えることがあります。
本コラムでは、築古ビルで清掃が重要な理由や日常清掃・定期清掃の違い、重点的に確認したい場所を解説します。
- どんな人向け?
- 築古オフィスビルの空室対策を検討しているオーナー
- エントランスや共用部の印象を改善したい方
- 現在の清掃内容を見直したい方
- このコラムでわかること
- 築古ビルで清掃を見直したい理由
- 日常清掃と定期清掃の違い
- 汚れが目立ちやすい場所と確認ポイント
- 結論
築年数は変えられませんが、汚れや黒ずみは清掃によって改善できる場合があります。
大規模な改修を検討する前に、エントランスや共用廊下、トイレなどの状態を確認し、日常清掃で対応できる汚れと定期清掃が必要な汚れを分けて考えることが重要です。
築古ビルでは清掃状態も建物の印象を左右する
内見者が建物を訪れた際、エントランスや廊下、エレベーターホールなどの共用部を通って貸室へ向かいます。
そのため、貸室をきれいにしていても、共用部の床に黒ずみがある、ガラスが汚れている、ゴミやほこりが目立つといった状態では、建物全体が古く見えることがあります。
特に確認したいのは次のような場所です。
- エントランスの床やガラス
- エレベーターホール
- 共用廊下や階段
- 共用トイレ
- 建物入口や建物まわり
築年数による古さと、清掃で改善できる汚れは分けて考えることが重要です。
古くなった床材そのものを清掃で新しくすることはできません。一方、表面の汚れやほこり、水垢などであれば、清掃方法を見直すことで改善できる場合があります。
あわせて読みたい: [ 「第一印象」で決まる!築古・賃貸オフィスビルの空室対策・実務チェックリスト ]
日常清掃だけでは落としにくい汚れもある
日々清掃していても、床の黒ずみやガラスの水垢などが目立ってくることがあります。
これは、日常清掃と定期清掃で対応する汚れが異なるためです。
| 清掃の種類 | 主な役割 | 主な作業 |
|---|---|---|
| 日常清掃 | 日々発生する汚れを取り除く | 掃き・拭き清掃、トイレ清掃、ゴミ回収など |
| 定期清掃 | 日常清掃では落としにくい汚れに対応する | 床面洗浄、ワックス、ガラス清掃など |
例えば、エントランスの床を毎日清掃していても、歩行による汚れや黒ずみが残ることがあります。この場合は、床材に合った洗浄などを検討します。
「毎日清掃しているから問題ない」と考えるのではなく、実際の仕上がりを見て清掃内容を確認することが必要です。
清掃を見直すときは汚れの種類を確認する
汚れが目立っている場合、清掃回数を増やせば解決するとは限りません。
例えば、日常清掃では落としにくい床の黒ずみに対して、同じ清掃を増やしても改善しにくい場合があります。
まずは、どこに、どのような汚れが残っているのかを確認します。
| 場所 | 確認したい状態 |
|---|---|
| 床 | 黒ずみ、砂やほこり、ワックスの劣化 |
| ガラス | 手垢、水垢、くもり |
| 壁・扉 | 手垢、擦れ、部分的な汚れ |
| トイレ | 水垢、臭い、床や便器周辺の汚れ |
| 建物外周 | ゴミ、落ち葉、排水まわりの汚れ |
汚れの種類が分かれば、日常清掃で対応するのか、定期清掃を行うのかを決めやすくなります。
また、汚れだと思っていたものが、床材の傷や壁の変色など清掃では改善できない劣化である場合もあります。その場合は、補修や交換を検討します。
築古ビルで優先して確認したい4つの場所
すべての場所を同時に見直すのではなく、まずはテナントや内見者が利用する場所から確認します。
- エントランス:*床の黒ずみ、ガラス扉やマット、建物入口周辺の汚れ
- 共用廊下・階段:ほこりやゴミ、壁や手すりの汚れ
- 共用トイレ:便器や洗面台、床、水栓、鏡の汚れや臭い
- ガラス・サッシ:くもりや水垢、高所など日常清掃では対応しにくい箇所
清掃箇所を増やすことより、現在目立っている汚れに対応できているかを確認することが大切です。
清掃で改善できない場合は補修も検討する
清掃を続けても見た目が改善しない場合は、汚れではなく建材そのものが傷んでいる可能性があります。
例えば、次のような状態です。
- 床材に大きな傷や剥がれがある
- 壁紙が変色している
- 塗装が剥がれている
- タイルに割れや剥がれがある
このような箇所は、清掃だけでは改善できません。
清掃で改善できる汚れと、補修・交換が必要な劣化を分けて考えることが重要です。
大規模なリニューアルを検討する前に、清掃や小規模な補修でどこまで改善できるのかを確認する方法もあります。
あわせて読みたい: [ オフィスビルの小規模修繕とは?修繕箇所・費用・進め方を解説 ]
まとめ|清掃内容は建物の状態に合わせて見直す
築古オフィスビルでは、築年数そのものを変えることはできませんが、日々目につく汚れは改善できます。
清掃を見直す際は、次の3点を確認します。
- どこに汚れが残っているか
- 日常清掃と定期清掃のどちらで対応するか
- 清掃ではなく補修が必要な箇所はないか
特にエントランスや共用廊下、トイレなどはテナントだけでなく内見者も利用する場所です。
大規模な改修を考える前にまず現在の清掃状態を確認し、目立つ汚れから改善していきます。
清掃回数を増やすだけではなく、汚れの種類や場所に合わせて清掃内容を見直すことが建物を清潔に保つための基本です。
執筆者紹介
株式会社スペースライブラリ
プロパティマネジメントチーム
藤岡 涼
入社以来20年以上にわたり、東京23区のオフィスビルを中心にプロパティマネジメント・リーシング・建物管理を担当。
年間多数の交渉やトラブル対応経験を活かし、現場目線に立った迅速かつ的確な提案を通じて、オーナー様とテナント様双方の満足度向上に努めています。
2025年11月27日執筆