OAフロアの選び方完全ガイド|種類・耐荷重・配線・安全性まで解説
オフィスビルのOAフロアは、配線のしやすさや貸室の使い勝手に関わる設備です。一方で、種類や耐荷重によって特徴が異なり、建物の条件によっては希望する仕様を導入できない場合もあります。
本コラムでは、OAフロアの種類や耐荷重の考え方、既存オフィスビルへ導入・改修する際に確認したいポイントを解説します。
- どんな人向け?
- オフィスビルのリノベーションを検討しているオーナー
- OAフロアの導入や更新を検討している方
- 種類や耐荷重の選び方を知りたい方
- 本コラムのポイント
- OAフロアの主な種類とそれぞれの特徴
- 用途に合わせた耐荷重や配線の考え方
- 既存ビルで確認したい天井高・床荷重・段差
- 結論
OAフロアは価格や耐荷重だけで決めるのではなく、想定するテナントの使い方や建物の条件を踏まえて選ぶことが重要です。既存ビルでは、床荷重や天井高、建具との取り合いなども事前に確認しましょう。
OAフロアとは?導入するメリット
OAフロア(オフィス・オートメーション・フロア)とは、既存の床の上に新たな床を設け、その間に配線スペースを確保する二重床構造です。フリーアクセスフロアとも呼ばれ、電源ケーブルやLANケーブルなどを床下へ収納できます。
【導入する主なメリット】
- 電源・通信ケーブルを床下へ収納できる
- デスクなどのレイアウト変更に対応しやすい
- 床上への配線の露出を減らせる
- 配線を整理し、室内の見た目を整えやすい
テナントによって必要な席数やレイアウト、配線量は異なります。そのため、入居後のレイアウト変更や席数の増減に合わせて配線を変更しやすいこともOAフロアのメリットです。
ただし、OAフロアであればどの製品でも同じというわけではありません。構造や性能の違いを確認したうえで選ぶ必要があります。
OAフロアの種類と特徴
OAフロアには複数の構造があり、主に次のような種類があります。
| 種類 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 溝構法 | 床上げ部分に配線用の溝を設ける | 配線経路を整理して運用したいオフィス |
| パネル構法(支柱分離型) | パネルと支柱が分かれ、床下に空間を確保しやすい | 配線量が多いオフィス |
| パネル構法(支柱一体型) | パネルと支柱が一体になっている | コストを重視する一般的なオフィス |
それぞれ配線のしやすさや施工方法、コストなどが異なります。
例えば、配線変更が多いオフィスでは床下空間を確保しやすい仕様が候補になります。一方、一般的なオフィスでは、必要以上に高い性能を求めると工事費が増える場合があります。
用途とコストのバランスを見ながら選ぶことがポイントです。
耐荷重と配線で確認したいポイント
耐荷重は用途に合わせて考える
OAフロアを選ぶ際に確認したい性能の一つが耐荷重です。
一般的なデスクやキャビネットを配置するオフィスと、サーバーラックや大型書庫などを置くオフィスでは、床に求められる性能が異なります。
OAフロアの性能を確認する際には、JAFA(フリーアクセスフロア工業会)の規格が参考になります。ただし、耐荷重の数値だけで仕様を決めるのではなく、実際に何を設置するのかを確認することが重要です。
重量物を設置する場合には、貸室全体を高耐荷重仕様にするのではなく、必要な部分のみ対応する方法もあります。
製品によって性能や条件が異なるため、具体的な耐荷重はメーカーの仕様を確認しましょう。
配線方法と安全性も確認する
OAフロアの床下には、電源線や通信線などさまざまな配線が通ります。
そのため、導入時には次のような点も確認します。
- 必要な配線量を確保できるか
- 電源線と通信線を適切に整理できるか
- 配線の変更やメンテナンスを行いやすいか
- ケーブルを傷つけにくい施工になっているか
特に配線量が多いテナントを想定する場合は、現在必要な容量だけでなく、入居後の増設やレイアウト変更も考えておくことが大切です。
OAフロアを含めたオフィスビルの設計については、以下のコラムでも詳しく解説しています。
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既存ビルへの導入・改修で確認したいこと
既存オフィスビルでは、希望するOAフロアをそのまま導入できるとは限りません。製品の性能だけでなく、建物側の条件も確認する必要があります。
床荷重
OAフロア自体の重量に加え、デスクや書庫、設備などの荷重もかかります。
特に重量のある仕様や機器を導入する場合は、既存の床が必要な荷重に対応できるか確認することが重要です。必要に応じて、設計者などの専門家に確認しましょう。
天井高
OAフロアを設置すると床面が高くなるため、室内の天井高が低くなります。
もともとの天井高が低いビルでは、床を上げることで室内に圧迫感が出る可能性があります。床下に必要な配線スペースと、施工後の天井高をあわせて確認しましょう。
段差や建具
床面が高くなることで、廊下や出入口との間に段差が生じる場合があります。
また、既存のドアや設備との位置関係によっては、建具の調整や追加工事が必要になることもあります。
床荷重や天井高、段差、既存設備への影響を確認したうえで、導入する仕様を決めることが大切です。
まとめ|建物とテナントに合ったOAフロアを選ぶ
OAフロアは、テナントの使い方や建物の条件によって適した仕様が異なります。
一般的なオフィスでは配線量やレイアウト変更への対応、重量物を置く場合は耐荷重や補強の必要性を確認します。また、既存ビルでは床荷重や天井高、段差など建物側の条件も重要です。
必要な性能とコストのバランスを考え、物件に合った仕様を選びましょう。
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執筆者紹介
株式会社スペースライブラリ
プロパティマネジメントチーム
藤岡 涼
入社以来20年以上にわたり、東京23区のオフィスビルを中心にプロパティマネジメント・リーシング・建物管理を担当。
年間多数の交渉やトラブル対応経験を活かし、現場目線に立った迅速かつ的確な提案を通じて、オーナー様とテナント様双方の満足度向上に努めています。
2026年6月18日執筆