オフィスビル投資で失敗しない物件選び|規模と築年数の考え方【オフィスビル投資コラムシリーズ③】
「築浅だから安心」「築古だから危険」そのようなイメージだけで物件を判断していないでしょうか。オフィスビル投資では、規模や築年数だけで物件の価値は決まりません。重要なのは、購入後の運営まで見据えて自分の投資方針に合った物件を選ぶことです。
本コラムでは、規模や築年数ごとの特徴や、購入前に確認したいポイントについて解説します。
- どんな人向け?
- オフィスビル投資を検討している方
- 築古物件と築浅物件の違いを知りたい方
- 物件選びの判断基準を身につけたい方
- 本コラムのポイント
- 規模による投資スタイルの違いが分かる
- 築年数だけで判断できない理由が分かる
- 購入前に確認したいポイントが分かる
- 結論
オフィスビル投資では「大きい」「新しい」という理由だけで物件を選ぶべきではありません。規模や築年数だけでなく、管理状態や設備更新の状況、どの部分を改善できるかまで確認し、長期的な運営を見据えて判断することが重要です。
規模によって投資の考え方は変わる
同じオフィスビルでも、規模によって求められる運営や投資の考え方は異なります。大規模ビルは安定した収益を期待しやすい一方で、設備更新や維持管理には大きな費用がかかる場合があります。一方、中小規模ビルはオーナーの判断や改善が建物の競争力に反映されやすく、運営次第で資産価値を高められる可能性があります。重要なのは、規模だけで物件の良し悪しを判断しないことです。自分の資金計画や運営方針に合った規模を選ぶことが、長期的な運営につながります。
| 項目 | 大規模ビル | 中小規模ビル |
|---|---|---|
| 特徴 | 収益が安定しやすい | オーナーの工夫を反映しやすい |
| 初期投資 | 多額の投資が必要になりやすい | 比較的購入しやすい |
| 設備更新 | 更新費用が大きくなりやすい | 改善を進めやすい |
築浅と築古、それぞれの特徴
築年数だけで物件の価値は決まりません。築浅物件は設備が新しく、当面の修繕費を抑えやすい反面、購入価格が高くなりやすく、利回りは低めになる傾向があります。一方、築古物件は購入価格を抑えやすく、改善によって競争力を高められる可能性があります。
| 比較項目 | 築浅 | 築古 |
|---|---|---|
| 購入価格 | 高い | 比較的低い |
| 修繕費 | 少ない傾向 | 発生しやすい |
| 改善余地 | 小さい | 大きい |
| 利回り | 低め | 高めになる場合がある |
ただし、築年数だけで建物の価値を判断することはできません。同じ築30年のビルでも、設備更新や共用部の改修が計画的に行われている物件と長年ほとんど手が入っていない物件では、テナントからの評価は大きく異なります。購入前には築年数だけでなく設備更新履歴や修繕履歴まで確認し、現在の建物の状態を把握することが重要です。
築古だから選ばれないわけではない
築古ビルでも、高い稼働率を維持している物件は数多くあります。その違いを生むのは築年数ではなく、管理状態や設備更新の状況です。
例えば、次のような改善を行うことで築年数が経過したビルでもテナントから選ばれやすくなります。
- エントランスを改修している
- 共用トイレをリニューアルしている
- 空調設備を計画的に整備している
- 募集条件を市場に合わせて見直している
反対に、設備更新を長期間行っていない場合は、立地が良くてもテナントから選ばれにくくなることがあります。
購入前に確認したいポイント
確認しておきたい項目
物件資料だけでは確認できない情報もあるため、購入前は次の内容を確認しておきましょう。
- 長期修繕計画の有無
- 設備更新履歴
- 空室の理由
- テナント構成
- 管理会社の運営状況
設備更新履歴と空室の理由を確認する
特に確認したいのが、設備更新履歴です。空調設備や給排水設備、エレベーターなどは更新費用が高額になりやすく、購入後すぐに更新が必要になれば収支計画へ大きな影響を与える可能性があります。また、空室が続いている物件では賃料だけが原因とは限らず、次のようなことが影響しているケースもあります。
- 設備の老朽化が進んでいる
- 共用部の印象が古い
- 募集条件が市場に合っていない
- 管理体制に課題がある
購入前には空室の状況だけでなく、その背景まで確認することが大切です。
購入前のチェックリスト
- 自分の資金計画に合った規模か
- 築年数だけで判断していないか
- 設備更新や修繕履歴を確認したか
- 空室の理由を把握しているか
- 購入後に改善できるポイントがあるか
購入後の運営まで見据えることが重要
規模や築年数は物件選びで重要なポイントですが、それだけで長期的な収益は決まりません。建物の競争力は、購入後の運営によって変わります。適切な設備更新や計画的な修繕を続ければ、築年数が経過したビルでも競争力を維持し、安定した収益につなげることは十分可能です。一方で、設備更新を先送りにすると立地が良くても空室が増え、収益性が低下する可能性があります。物件選びでは、現在の状態だけでなく「購入後にどのようなビルへ育てていくか」という視点も重要です。
次回「第4回:オフィスビル投資の収益分析|利回りだけで判断してはいけない理由」は10月1日公開予定です。
【オフィスビル投資コラムシリーズ一覧】
[ 第1回:オフィスビル投資とは?住宅投資との違いと成功の考え方 ]
[ 第2回:オフィスビル投資で押さえたい立地選びのポイント ]
[ 第3回:オフィスビル投資で失敗しない物件選び|規模と築年数の考え方 ]
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執筆者紹介
株式会社スペースライブラリ
代表取締役
羽部 浩志
1991年東京大学経済学部卒業 ビルディング不動産株式会社入社後、不動産仲介営業に携わる
1999年サブリース株式会社に転籍し、プロパティマネジメント業務に携わる
2022年サブリース株式会社代表取締役就任(現職) ライフワークはすぐれた空間作り
2026年9月17日執筆